2009年 11月 30日
そういえば(ワークショップに関すること) |
ワークショップ・オーディションの最後の締めの言葉を考えあぐねて、ごにょごにょと濁してしまったのだが、きっと言いたかったのは次のようなことだった。つまり、言葉の意味がとれているかどうか、とか、戯曲上での会話の変化をしっかり捉えるというような、どちらかというと細かく具体的なディレクションを行ったのだが、本来は、私の演出としては、その細かい演出とともに、かなりアバウトで抽象的なディレクションも行う。たとえば、(この二日間でもそれなりに利用してはいたが、)「はっちゃけてください」とか「もっと元気に」とか「もっと弱者の側から喋ってください」とかである。その二つの方向性、細かく具体的なダメだしとアバウトな演出を両者ともに引き受けていただけると、一挙に役者の身体が変化する。ように演出をしている。で、その「変化」する瞬間が一番役者にとっては楽しい瞬間であると思っているので、その「楽しさ」みたいなところはお伝えできなかったかと思う。というようなことを締めで言いたかった。これはもちろん、言い訳ではなく、二日間の限界である。その戯曲と役者の「出会い」のために(具体的で特権的な「出会い」のために)、演劇には少なくとも一ヶ月以上の稽古期間が必要なのである。
by torikoshi_anx
| 2009-11-30 10:19