2013年 08月 20日
久保栄『火山灰地』を読む! |
9月7日(土)、16日(月・祝)に演出者協会主催の近代戯曲研修セミナーを行います。今回は久保栄特集で、リアリズム演劇の最高峰ともいわれる「火山灰地」第一部・第二部を取り上げます。演出は第一部は青年劇場の瓜生正美さん、第二部は印象の鈴木アツトさん。瓜生さんは齢九十近く、鈴木さんは三十代。今回は同じ稽古場に二人の演出家がいて研修しておりますので、非常に面白い場になっております。リーディング発表のあとはそれぞれシンポジウムを行います。7日は演劇研究家の井上理恵さんをお呼びして「リアリズム演劇としての『火山灰地』の新しさ」、16日は文化政策研究者の梅原宏司さんをお呼びして「『火山灰地』にみる内地延長主義とその現在」。わたしはシンポジウムの司会を担当します。このたびからプロデューサーという役に就任しましたので、がんがん攻めていこうと思います。みなさまのご来場お待ちしております。
以下、詳細です。
【近代戯曲研修セミナー】
久保栄特集「『火山灰地』を読む!」
9月7日(土)、16日(月・祝)於:芸能花伝舎
“近代”戯曲を読み直し、”現在”の問題を見つめ直す。演劇史に綺羅星のように輝く戯曲から、そうでない戯曲まで、何が語られ、何が見捨てられてきたのか、新たな発見を求めて、戯曲を「読み」そしてシンポジウムで「 語る」。
9月7日(土)
15:00~リーディング S-2教室
『火山灰地』第一部 演出:瓜生正美
18:00~シンポジウム 1-1教室
「リアリズム演劇としての『火山灰地』の新しさ」
パネラー:井上理恵(演劇研究者)、瓜生正美 他
料金:2,000円 ※リーディングのみ1,500円
(全席自由席/協会員無料)
9月16日(月・祝)
15:00~リーディング S-3教室
『火山灰地』第ニ部 演出:鈴木アツト
18:00~シンポジウム S-3教室
「『火山灰地』にみる内地延長主義とその現在」
パネラー:梅原宏司(文化政策研究者)、鈴木アツト他
料金:2,000円 ※リーディングのみ1,500円
(全席自由席/協会員無料)
チケット予約は
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=37653
をご利用ください。
問合せ(担当:川口/高木)
kindaigikyoku@yahoo.co. jp
「1937-38年に発表された久保栄『火山灰地』は、第一部と第二部からなる長編戯曲で、北海道の火山灰土での亜麻生産を舞台に、久保自身の言葉によると「日本農業の特質と概括化」と「科学理論と詩的形象との統一」をもくろんだ作品です。北海道の方言を駆使して、総勢50人をこえる登場人物を生き生きと描き出した技量には凄まじいものがあります。社会主義リアリズムの極地ともいわれる『火山灰地 』第一部・第二部を「読み」、そして、<政治>と<文学>との間で演劇を創作し続けた久保栄の演劇活動について「語る」、二日間」
久保栄 Kubo Sakae (1900~1958)
劇作家、小説家。札幌に生まれる。3歳の時に祖父熊蔵の養子となり東京で暮らすが、後に実家へ復籍する。東京大学独文科選科在学中に「ホオゼ」を訳し、1926年に築地小劇場文芸部に入り小山内薫に師事。ドイツ表現主義の戯曲の紹介・翻訳に従事する。大学卒業後は新築地劇団への参加、「劇場街」「劇場文化」の創刊、日本プロレタリア演劇同盟への加盟などをする。1930年に戯曲『新説国姓爺合戦』を発表。プロット加盟。そして社会主義リアリズムの極致ともいえる『火山灰地』を1937-38年に発表、自身の演出で上演。昭和15年新劇事件で1年半ほど投獄され、その後は終戦まで表舞台から退いていた。戦後は東京芸術劇場を結成、『林檎園日記』を上演する。小説『のぼり窯』では生家に取材した煉瓦工場を舞台に近代の北海道開発史を描く。1958年に縊死。代表作に「のぼり窯」「火山灰地」「五稜郭血書」など。
◆シンポジウムパネラー・7日 井上 理 恵(いのうえ・よしえ)
東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科芸術学専攻修士課程修了。近現代演劇研究。桐朋学園芸術短期大学教授。日本近代演劇史研究会代表、日本演劇学会副会長。著書:『久保栄の世界』、『近代演劇の扉をあける』(第32河竹賞受賞)、『ドラマ解読』、『菊田一夫の仕事 浅草・日比谷・宝塚』(以上、社会評論社)共著:『井上ひさしの演劇』、『岸田國士の世界』(以上、翰林書房)、『20世紀の戯曲』全3巻(社会評論社)、『20世紀のベストセラーを読み解く』『樋口一葉を読みなおす』(以上、學藝書林)、有島武郎叢書』(右文書院)、『家族の肖像』『村山知義 劇的尖端』(森話社)ほか多数。
◆シンポジウムパネラー・16日 梅原宏司(うめはら・こうじ)
立教大学兼任講師。博士(比較文明学、立教大学)。専門は文化政策およびそれに関連する文化研究・日本政治思想史。『戦後日本政治における「文化行政」の位置づけ―「文化」は国家戦略の中にいかに包摂されたか―』(立教大学博士学位申請論文)、「プロレタリア演劇・新劇の観客組織論」伊藤裕夫・藤井慎太郎編『芸術と環境̶劇場制度・国際交流・文化政策』(論創社)ほか。

以下、詳細です。
【近代戯曲研修セミナー】
久保栄特集「『火山灰地』を読む!」
9月7日(土)、16日(月・祝)於:芸能花伝舎
“近代”戯曲を読み直し、”現在”の問題を見つめ直す。演劇史に綺羅星のように輝く戯曲から、そうでない戯曲まで、何が語られ、何が見捨てられてきたのか、新たな発見を求めて、戯曲を「読み」そしてシンポジウムで「 語る」。
9月7日(土)
15:00~リーディング S-2教室
『火山灰地』第一部 演出:瓜生正美
18:00~シンポジウム 1-1教室
「リアリズム演劇としての『火山灰地』の新しさ」
パネラー:井上理恵(演劇研究者)、瓜生正美 他
料金:2,000円 ※リーディングのみ1,500円
(全席自由席/協会員無料)
9月16日(月・祝)
15:00~リーディング S-3教室
『火山灰地』第ニ部 演出:鈴木アツト
18:00~シンポジウム S-3教室
「『火山灰地』にみる内地延長主義とその現在」
パネラー:梅原宏司(文化政策研究者)、鈴木アツト他
料金:2,000円 ※リーディングのみ1,500円
(全席自由席/協会員無料)
チケット予約は
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=37653
をご利用ください。
問合せ(担当:川口/高木)
kindaigikyoku@yahoo.co. jp
「1937-38年に発表された久保栄『火山灰地』は、第一部と第二部からなる長編戯曲で、北海道の火山灰土での亜麻生産を舞台に、久保自身の言葉によると「日本農業の特質と概括化」と「科学理論と詩的形象との統一」をもくろんだ作品です。北海道の方言を駆使して、総勢50人をこえる登場人物を生き生きと描き出した技量には凄まじいものがあります。社会主義リアリズムの極地ともいわれる『火山灰地 』第一部・第二部を「読み」、そして、<政治>と<文学>との間で演劇を創作し続けた久保栄の演劇活動について「語る」、二日間」
久保栄 Kubo Sakae (1900~1958)
劇作家、小説家。札幌に生まれる。3歳の時に祖父熊蔵の養子となり東京で暮らすが、後に実家へ復籍する。東京大学独文科選科在学中に「ホオゼ」を訳し、1926年に築地小劇場文芸部に入り小山内薫に師事。ドイツ表現主義の戯曲の紹介・翻訳に従事する。大学卒業後は新築地劇団への参加、「劇場街」「劇場文化」の創刊、日本プロレタリア演劇同盟への加盟などをする。1930年に戯曲『新説国姓爺合戦』を発表。プロット加盟。そして社会主義リアリズムの極致ともいえる『火山灰地』を1937-38年に発表、自身の演出で上演。昭和15年新劇事件で1年半ほど投獄され、その後は終戦まで表舞台から退いていた。戦後は東京芸術劇場を結成、『林檎園日記』を上演する。小説『のぼり窯』では生家に取材した煉瓦工場を舞台に近代の北海道開発史を描く。1958年に縊死。代表作に「のぼり窯」「火山灰地」「五稜郭血書」など。
◆シンポジウムパネラー・7日 井上 理 恵(いのうえ・よしえ)
東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科芸術学専攻修士課程修了。近現代演劇研究。桐朋学園芸術短期大学教授。日本近代演劇史研究会代表、日本演劇学会副会長。著書:『久保栄の世界』、『近代演劇の扉をあける』(第32河竹賞受賞)、『ドラマ解読』、『菊田一夫の仕事 浅草・日比谷・宝塚』(以上、社会評論社)共著:『井上ひさしの演劇』、『岸田國士の世界』(以上、翰林書房)、『20世紀の戯曲』全3巻(社会評論社)、『20世紀のベストセラーを読み解く』『樋口一葉を読みなおす』(以上、學藝書林)、有島武郎叢書』(右文書院)、『家族の肖像』『村山知義 劇的尖端』(森話社)ほか多数。
◆シンポジウムパネラー・16日 梅原宏司(うめはら・こうじ)
立教大学兼任講師。博士(比較文明学、立教大学)。専門は文化政策およびそれに関連する文化研究・日本政治思想史。『戦後日本政治における「文化行政」の位置づけ―「文化」は国家戦略の中にいかに包摂されたか―』(立教大学博士学位申請論文)、「プロレタリア演劇・新劇の観客組織論」伊藤裕夫・藤井慎太郎編『芸術と環境̶劇場制度・国際交流・文化政策』(論創社)ほか。


by torikoshi_anx
| 2013-08-20 19:08